年賀状は新年を祝う挨拶をするとともに、旧年中お世話になったことへの感謝の気持ちや近況を伝えるものです。
本来はもらうだけで嬉しい気持ちになるものですが、年賀状を送る相手とその年賀状の内容によっては、相手を新年早々から不快な気分にさせてしまう可能性もあります。
そこで、せっかく年賀状を送るのであれば、送る相手によって年賀状の内容を変える出し分けをしてみてはいかがでしょうか。
また、最近ではインターネットから簡単に高品質な年賀状を注文することができますので、同居する家族がいる場合は、家族それぞれが好みのデザインを選んで、一括で注文・受け取りをするといった方法も可能です。 そこで今回は、年賀状の出し分けをおすすめしたい代表的な4つのパターンをご紹介いたします。
パターン1:プライベートと仕事用に分ける
年賀状の出し分けのなかでも代表格ともいえるのが、「プライベートと仕事用に分ける」パターンです。
とはいえ、職業や職場の雰囲気、出す相手も人それぞれ。
たとえば、
- 歯科医院や美容室などへの勤務や、自営業をしており、顧客に向けて年賀状を出す
- 社内の慣習として上司や取引先に年賀状を出すことになっている
- 同僚や上司と家族ぐるみの付き合いがあり、年賀状を送る人数も少ない
といった場合、3であればプライベート用も会社用も同じ年賀状でもよいかもしれませんし、かえって家族写真などが載っているモノの方が喜ばれることも考えられます。
一方、1や2の場合は、基本的にプライベートの年賀状とは完全に分けるのがマナーです。
この場合は、以下の4点に特に注意して仕事用の年賀状を作成しましょう。
注意点1:住所は直接相手に聞く
取引先の方であれば名刺を見れば相手の会社や所属部署がわかりますが、上司や先輩など社内の方へ年賀状を送る場合は、あらかじめ本人に直接年賀状を送りたい旨を伝えたうえで、住所を聞きましょう。
その際、「送らなくていいよ」といわれた場合は、しつこく住所を聞き出してまで送る必要はありません。また、最近では社内規定で年賀状を送らないことになっている企業も少なくありませんので、事前に確認しておきましょう。
注意点2:元日に届くように手配する
プライベートであればとくに気になることではありませんが、仕事用の年賀状を送る場合は元日に届くように手配をしましょう。「松の内」と呼ばれる1月7日までに相手に届けば失礼に当たることはないですが、仕事始めの日も考慮して、遅くとも正月三が日までには届くように手配したいところです。
注意点3:言葉遣いに注意する
言葉遣いに関しては年賀状に限ったことではありませんが、とくに上司や取引先など目上の人に年賀状を出す場合には、「謹賀新年」や「敬頌新禧」など4文字の賀詞を用いることが基本のマナーです。
また、仕事への熱意や感謝の気持ちを伝えるためにも手書きで一言メッセージを添えたいところですが、その際「落ちる」「終わる」といったいわゆる忌み言葉や、区切りをつけることを意味する句読点は避けましょう。「去年」も「去る」を連想するため「昨年」などに書き換えてください。
注意点4:ポップなデザインや家族写真が入ったデザインは避ける
一般的に仕事用の年賀状に家族写真の入ったデザインは不向きです。ネットで年賀状の作成を注文する場合は、ビジネス向けのデザインの年賀状が多数販売されていますので、そちらから選ぶのが無難でしょう。
ただし、小売店やデザイン事務所など、かえってポップなデザインのほうが相手に好印象を与える場合もありますので、業種に応じたデザインを選ぶことも大切です。
パターン2:結婚式に招待したかどうかで分ける
年賀状を送る年(年賀状が届く前年)に結婚式を挙げたカップルの場合は、次の3パターンに分けて年賀状を作成することをおすすめします。
1.結婚式に出席してくれた人
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年賀状には、結婚式に出席してくれたことに対する感謝を伝え、転居をした場合には転居先の報告をするなど、近況報告をしましょう。
もちろん結婚式でのツーショット写真を使用しても構いませんが、結婚式での集合写真や、和装など結婚式とは別撮りの写真や、新婚旅行の写真など、少し違ったシチュエーションのものも新鮮味があり喜ばれるでしょう。
2.結婚報告はしたが、結婚式に招待していないもしくは欠席した人
改めて〇〇(昨夏・昨年〇月など)に結婚しましたという報告をするとともに、今後とも夫婦共々よろしくお願いします、といった旨のメッセージを添えましょう。また、結婚式の様子がわかる写真などを載せると喜ばれるでしょう。
3.結婚報告をしていない人
本来友人や親戚であれば、何らかの理由で結婚式に招待できなかったとしても、結婚報告 くらいはしておくことが一般的です。その結婚報告すらしていないということは、仕事などの表面上だけの付き合いであったり、年賀状だけの付き合いであったり、その関係性は希薄であることが予想されます。
受け取る側によっては「今まで知らせてくれなかった」と不快に感じさせてしまう可能性もあるため、このような場合は、結婚式の写真も使用せず、一般的なデザインのものに文面のみでサラッと結婚報告をしておくほうが無難でしょう。
パターン3:送る相手の状況に合わせて分ける
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とくに小さなお子さんがいるご家庭では、年賀状に子どもの写真を使うことは当たり前といっても過言ではないかもしれません。
しかし、次のような理由から、子どもの写真入りの年賀状にあまりよい印象を持たない方が一定数存在することも事実です。
- 独身で結婚・出産に縁がなく、そもそも子どもにも興味がない
- 長年不妊治療を受けており、子どもができないことにとても悩んでいる
- 喪は明けたものの、子どもを亡くしており、自分の子どものことを思い出して辛い
- 離婚をし、子どもと会えない状況が続いているなどの理由から、見ると辛くなる
- 年賀状をくれた人の現在の姿は見たいと思うが、子どもの写真だけは嬉しくない
これについては、相手がどう受け取るかは千差万別です。たとえば「自分たち夫婦には子どもがいないけど、親友の子どもの成長を見られて嬉しい」という方も当然いるでしょう。
そのため、過度に気を遣う必要はありませんが、自分なりの判断で、
- 年賀状には子どもの写真を入れない
- 年賀状には子どもの写真を入れる
- 子どもだけではなく家族写真を入れる
など、どのタイプの年賀状がよいか、考えましょう。年賀状のように目に見えるものではなくても、相手のことを想うそのひと手間にも大きな意味があるのではないでしょうか。
パターン4:家族の好みごとに分ける
最近では「プライベートの年賀状しか作らない」といった方も少なくないでしょう。子どもが小さいうちは、子どもにとっては年賀状などあまり興味がないものですが、小学生にもなってくると、「自分の写真が入るのは恥ずかしい」といいだしたり、「自分はこっちのデザインのほうがよい」といいだすこともあるでしょう。
ネットで年賀状の作成を依頼する場合、店にもよりますが1枚単位から注文できる場合もあります。
それぞれ違ったデザインになるため、当然価格は高くなりますが、家族の好みごとに年賀状を分けて作ったり、ネットでの注文が苦手な高齢の家族のぶんも一緒に注文してあげたりするといった使い方も可能です。
まとめ
筆まめな方やモノづくりが好きな方でないと、年賀状の出し分けは厄介に感じるかもしれません。しかし、最近ではネットを利用して年賀状を作成できるため、出し分けも手間をかけず、短時間で済ませることができます。
せっかく新しい気持ちで迎える新年。そしてそんな気持ちのなかで眺める年賀状。せっかく送るなら、受け取る方の気持ちに寄り添った年賀状で、自分も相手も気持ちよいお正月にしたいですよね。
もしご自分が今回ご紹介した4つのパターンのいずれかに当てはまる、という方は、ぜひ年賀状の出し分けも検討してみてはいかがでしょうか。
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